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渡辺 正; 蕪木 英雄
JAERI-Research 96-046, 50 Pages, 1996/09
代表的な粒子法である直接シミュレーションモンテカルロ法及び分子動力学法を用いてレイリーベナール系をシミュレートし、マクロな流れ場における熱伝導-対流遷移をミクロレベルから考察した。統計的手法であるモンテカルロ法により得られた臨界レイリー数は、流体方程式の線形安定性解析により得られるものと一致し、マクロな流れの安定性がミクロレベルの粒子法により定量的に扱うことができることがわかった。また、遷移過程では温度や流速の変動量の相関が、明確な熱伝導及び対流状態におけるものより強くなっていることが明らかとなった。さらに決定論的手法である分子動力学法により原子のカオス運動をリアプノフ指数を用いて調べたところ、大規模な秩序運動としての対流渦が流れ場に現れると、個々の原子のカオス運動は増加することが明らかとなった。
鈴土 知明; 林 光二
Proc. of a Symp. on Nuclear Reactor Surveillance and Diagnostics,Vol. 1, 12 Pages, 1991/00
簡単な非線形微分方程式からカオスと呼ばれている複雑な解が得られることが知られている。原子炉の非線形性によってもたらされた複雑な挙動がカオス的挙動に帰結することができ、原子炉動特性および原子炉制御についてある種のヒントが得られるかもしれない。改良前のNSRRの雑音信号から2つのカオスの重要な特徴量、フラクタル次元および最大リアプノフ指数が評価された。解析の結果、当原子炉で観測された出力振動はカオス的である可能性が高いことがわかった。またこれらの2つの特徴量の、実際の原子炉の監視および異常診断への応用方法について独自の提案をし、従来の方法との比較を行った。その結果、新しい方法は原子炉の状態のより広い範囲にわたって利用可能であることがわかった。